おにぎりさん

おにぎり(^_-)-☆

(まとめ)「結婚と家族のこれからー共働き社会の限界」筒井淳也

「結婚と家族のこれからー共働き社会の限界」筒井淳也

https://www.amazon.co.jp/結婚と家族のこれから-共働き社会の限界-光文社新書-筒井-淳也/dp/4334039278

一言:税金と婚姻・出産の関係性が印象的

 

 

第1章 家族はどこから来たか

  • 古代の見本社会では意外にも男女が平等な結婚・家族の形が見られた。なぜなら、女性にとっての生活基盤がしっかりしていれば男性が結婚・家族において優勢になる理由がないから
  • 明治に浸透する家制度の根底には明治民法があった
  • 日本における家族の歴史を振り返ることができる。勉強になる
  • 明治民法下では、戸主が庶子を入家させるにあたり、妻の同意を得る必要はなかった。妻からすれば、自分の子供でもない者を家に組み入れられ、しかも自分はその者の嫡母として庶子を扶養する義務を負うのでたまったものではない。
  • 明治民王の庶民の家族では、家父長制度はこう言った生活上での合理性からは説明できず、自然に根付くようなものではなかった。明治政府は、天皇を頂点とした支配体制を強化するという政治的な目的で、家制度を上から押し付けていた。天皇は、この家父長制度の頂点に立つ存在
  • この堅苦しい家制度から自由になるには、個人が食べていく手段を獲得する必要がある(自分で商売を始めるか、あるいは会社に雇ってもらうことが必要)。富岡製紙工場等は、女性が繊維工場で稼いだお金で経済的に自立し、その上で好きな男性と結婚して共働き世帯を構えるということではなかった。稼ぎは家に帰属するものだった
  • 確かに雇われるということは、会社の経営者や管理職の指揮下に入ることです。しかし、同時にそれは、自分の稼ぎを得ることで家、つまり親からの経済的自立を獲得するということ

第2章 家族はいまどこにいるか

  • 人々が男性のみならず女性も雇用を通じて経済的に自立して、自由に人間関係を作るためには、安定した雇用が男女に行き渡っていること、家事や育児のサービスが何らかの形で提供されていること、そして高齢者が少なく、それを支えるコストが小さいこと、この3つの条件が必要。

第3章 家事分担はもう古い?

  • 夫婦間の家事分担はどのように決まっているのか。どういった要因によって夫婦間の分担の差が生まれているのか。それは、時間と経済力。少なくとも日本の家事分担には夫婦間の圧倒的な不公平がある
  • アメリカのように所得格差を利用して使用人を雇用する方向に行くのか、それとも北欧のように公的雇用を増やすのか。どちらも日本人にとっては考えにくい方向性です。弊害がすくないのは北欧だろう

第4章 男女平等家族がもたらすもの

  • 共働きカップルが多い国方が出産率が高い傾向が見て取れる
  • 共働き社会が格差を利用することの一つの問題、つまりケア・サービスを供給する側が、自分たちのケアの機会を奪われる

第5章 家族の未来の形

  • 少子高齢化は、様々な点で国全体の経済的余裕を失わせる。問題は、そうすると自由な親密性のための経済的基盤も失われるということです
  • 家族をセイフティネットと考えないといけない社会は、リスクを伴う社会でもある
  • 共働き社会化が基本的に進めば、今度は夫と妻は共同経営者として仕事と家庭の運営を行うことになる。夫にとっての仕事、妻にとっての仕事、夫婦にとっての家庭、これら3つの部門が全てうまくいくように行くように調整する必要がある。しかし、うまくいかず、どれかが犠牲になる。
  • リスクを軽減するために、仕事の領域でも家族の領域でもない第三の領域、すなわち政府・非営利組織がバックアップする必要がある。
  • 社会に必要なのは、ある程度安定した雇用が十分に供給されていること、それを通じて豊富な公的資金が得られること、そうしてできた財政的余裕を、人びとが仕事をしたり、家族を作ったり作らなかったりすることのリスクを減らす方向に使うことです。北欧型国家がこれに近いが、性別職域分離や排外主義といった副作用が見られる。福祉国家は国民に高負担を強いるだけに、政府に既出した資金を自分たちの国に最初から住んでいた人以外(移民)に使うことに対して激しい抵抗が生じます