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(激アツ)「いのちの再建弁護士〜会社と家族を生き返らせる〜」村松謙一

「いのちの再建弁護士〜会社と家族を生き返らせる〜」村松謙一

 

https://www.amazon.co.jp/いのちの再建弁護士-会社と家族を生き返らせる-村松-謙一/dp/4041101514/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1514039317&sr=1-1&keywords=いのちの再建弁護士

 

一言:胸が熱くなる。情熱と信念を感じる本。

 

まとめ

 著者は私的再建型の再生を数多く手がける事業再生専門の弁護士である。著者のバックグラウンドから、再生の現場の実体験まで描かれている骨太の一冊。

 著者の再生への熱い思いに胸が熱くなる。信念のもとに仕事をする人間は最高にかっこいい。

 事業再生は、時間の経過とともに多数の利害関係人が現れ、新湯売る法的問題に直面する分野であろう。人間対人間のむき出しの感情思惑がぶつかり合う、非常にやりがいのある業務分野であると感じる。ただ、一般的には精神的肉体的な負担があまりに重い分野であり、この道を専門とする人間はそこまで多くないのであろう。私の周りでも、民事再生・倒産の分野に進みたいと明言する友人はあまりいない。

 

まえがき

  • 企業再建を専門とする弁護士は全国でも数十人ほどしかいないと言われている。
  • 年間3万人を超える自殺者のうち、志望動機で最も多いのは「健康問題」であるが、次が「経済・生活問題」で、このために命を絶つ人が7500人近くいるという現実
  • 倒産とは 命の問題なのである
  • 一般に企業の再生は、数字であり、技術であり、駆け引きであるように思われる。しかし、一人の人間としての経営者に焦点を合わせれば、そこには内面の戦いが繰り広げられていることに突き当たる。

 

第1章 どんな会社も再生しなければならない

  • 今から思うと、あの切実な「手書き」のファックスが生んだ縁としか言いようがない。*手書きは誠意が伝わる
  • できる限り人目につかないようにしている理由は、会社再建事件はその性質上、対応できるのは年に3、4件が限度
  • 「私的再建」と「民事再生」はどう違うのか。どちらも窮地にある会社を救済する再建の手法であるのが、「民事再生」とは、裁判所に申し立て、法的手続きの元で銀行や鳥行き先の半数以上の不同意を得て、借金を一律カットしてもらうという強力な方法である。劇薬のような力を持っているが、会社名が世間に公表されるため、「企業価値」が一気に下がり、倒産に追い込まれるリスクも跳ね上がる。また、取引先を含む全ての支払いを再生計画による返済開始時期まで停止させ、かつ大幅な債権カットとなるので、力のない零細な取引先の連鎖倒産を招きかねない。この、多くの賞取引先を巻き込む自体が、私にとって受け入れがたい。したがって私は、それを使わざる得ないという状況でない限り、民事再生は使わないようにしている。これが私の流儀である。一方、私的再建は、独自に練り上げた再建プランを極秘に金融機関にだけ持ち込み、借金残元本の再編猶予、債権カット、金利の減免などの了解してもらう手法である。この方法を用いれば、小取引先等への支払いも通常通り続けられるので、取引先にも迷惑をかけることもない。また、秘密裏に行われるので取引先にも知られず、再建にとって最大の障害、信用不安も回避できる。ただし、金融機関が納得するだけの説得力ある再建計画を提示することが必須条件である。会社にとってのメリットは多いのだが、りょかいを得るまでのやり取りは厳しく、時間も年単位で赤k流というものなので、積極的にやる弁護士はあまりいない。多用するのは私くらいかもしれない。私的再建の通常手段は、先ほど説明した、リスケジュールである。lこれに対し、借金の一部カットをするという強固手段は、金融機関としても強硬に反対してくるので、私的再建という話し合いによる解決の場面で用いることはあまりなかった。

 第2章 ふたつの死が私を変え、支えている

  • 再建の相談は受けても、実際の受任には至らないという日々は続いた。再建事業と取り組むには、体力気力、何より覚悟が必要である。その覚悟を決める力がどうしても湧いてこないのである。

 第3章 私の会社再生法

  • 私は、法を犯していない限り、原則、会社は再建できると思っている。あらゆる角度から見て100%ダメという場合でも諦めない。それは私の経験と確信から言えること
  • 99%はダメでも1%の可能性があると考えれば、再建の見込みがありと判断すべきだ。たとえ、1%でもチャレンジする価値はあるし、捨てる神あれば拾う神あ理で、思わぬところから救世主が登場することもある
  • 経営危機に陥る会社の共通の欠点は、法律上のガードができていないちう点にある。逆に言えば、どんなにも経営状況が悪くても、法的なガードがしっかりしていれば会社は直ちに倒産することはまずない。もう一つは、人のマインドである。多くの企業の再生を手がけていると、会社の再建は決して数字だけが決めるものではないとつくづく感じる。最後の決め手は、経営者や従業員のやる気という主観的要素にかかっている。そして、法律よりもこちらの要素の方が倒産を回避する力は大きいと思う。
  • ラクダの一藁:金融機関の無神経な一言が一本の藁となる恐れはいつまである
  • コンサルティング能力で最も重要なのは共感力
  • ホッとしてもらえることが、私たちの仕事の第一関門なのである
  • 再建の極意は正直になれるかどうか、これが非常に難しい
  • ある再建の経営者:「プライドとの戦いは大きな課題でした。落ちた自分を認めるということは、決して容易なことではない。しかしもはや恥も外聞もなしです。それができずに突っ張って逃げた人は、みんなダメになっている」⇨正直であることが大事
  • 正直は、人とつながる最後のしゅだんだ。危機の時に正直になれるかどうかは、会社再建に限らず、人間の永遠のテーマのひとつと言えるだろう
  • 銀行員である前に人間である。
  • 一人の人間として
  • 再建作業の4原則:①公正、②衡平、③透明、④遂行の可能性
  • 再建計画は、会社だけにメリットをもたらすものではなく、銀行、債権者、取引先など、周囲に取ってもメリットを有するものだったからだと思う。皆が幸せになることを念頭に置けば、きっと債権者は理解してくれる
  • 再建を目標に、一年以上経っても先が見通せないのならば、潮時を見極めて引導を渡すのも、私の役目である。

 第4章 人をマスで救おうと決めた若き日

  •  弁護士の活動は、通常、顧客一人の問題を請け負う。これに対し、企業再建は従業員や取引先、その家族など、100人以上を助けることができる仕事だ。限りある人生なら、多くの人を救うことに価値を見出す、それが再建弁護士としての生きがいである。
  • クライアントと話す時は、ゆっくりと話すこと
  • 約束の20分前には着くこと

 第5章 企業再生こそ日本の再生

省略