(感想文)「営業の魔法」中村信仁 著
「営業の魔法」中村信仁 著
一言:最高に面白い
内容まとめ
1 プロローグ
2 魔法のはじまり
- 3分がなんとか我慢して話を聞ける限界⇨待つ方は待たせる方の3倍時間
- 会話力とは、自分自身ではなく、相手をいかに集中させるかということ。自分だけに集中させること。一方的に話をすることではダメ。相手を自分の流れに巻き込む渦潮のような力が会話には必要。
営業に必要な3つの力
- 集中力:自分自身ではなく、相手をいかに集中させるか。そして自分だけに注目させる力。
- 会話力:一方的におしゃべりするのではなく、双方向で話し合う力。
- 渦潮力:相手を自分の流れに巻き込む力。
3 魔法その1 瞬間の沈黙ー小さな選択と決断を繰り返させることで頭の中を整理させるー
- 会話には「間」が必要。
- 相手に考える時間を与えるのが「間」
- 相手が目線を外したら、「間」を必要とするサイン。目線を戻したら、理解した(または質問が出てくる)というサイン。
- 「間」がプレゼンを深くし、選択と決断をスムーズにする。
- 「間」によって、人は選択と決断を繰り返すことができる。
- 「間」という沈黙の恐怖に負けないこと。
- 小さな選択と決断を繰り返すことで頭の中で整理され、最終的に大きな結論を導くことができる。
最終的な爪に入ったときなどは、この何十倍も「間」が大切になります。さっき私が述べたように次から次へと提案を出す営業マンがいます。しかし、それは大事な場面になればなるほど「間」が怖いからなのです。沈黙に耐えられないのです。
つまり「間」を与えないプレゼンは、浅い思考で言葉のキャッチボールをすることになり、いざ、結論という段階で、改めて深く考えたいという欲求を相手に芽生えさせてしまう。「間」を積み重ねていくことで、最後の決断をスムーズにしていただける。
4 魔法その2 人間力
- お客様からノー(能)をいただき自分の血管に気付き、学び、成長していく。
- 成長することで広い視野を持つことができる。
- 人が受ける試練というものに乗り越えられないものはない。
- 人の出会いは全て必然だ。それは成長のための必然でもある。
- 常に謙虚で、そして正直であること。
営業という仕事は、当たり前のことをコツコツできるかどうかなんです。これは、人間力なんです。
営業とは、お客様の問題を解決するお手伝いをする職業です。そして、お客様と成長の感動を共鳴するという使命があるのです。
今日から、売ることをやめてごらん。
5 魔法その3 売らない営業
- 商品を売るのではんく、顧客の問題解決のお手伝いをする。
- そして共に成長し感動を共有する使命を担っている。
- 「ありがとう」という言葉が自分の報酬。
これは顧客心理の問題なのですが、人は興味のないことや、気づいていないことに対して拒絶するものです。
営業は、商品を利用してくださった人が喜び、そして幸せになっていただくことが第一の使命です。私たちは、お客様から頂く、「ありがとう」という言葉が最高の報酬なのです。営業はお客様の問題を一緒に解決する良き理解者であり相談者でなければいけないということ。
売るのではなく徹底的にお客様の声に耳を傾けてごらん。
6 魔法その4 既成概念
- イメージの限界が自分の限界になる。
- 可能性を広げるには、想像力を鍛えること。
- 不可能とは、既成概念によって、いつも自分が勝手に決め付けているに過ぎない。
- 自分で創ってしまった自分の限界は、常に破り続けなければならない。
- 既成概念は弱気な心のアドバイザーだ。
靴のセールスマンがアフリカにセールスミッションに行った時の話。アフリカ人は裸足である事実に対して、ある人は「部長、ここはダメです。全員裸足で、誰も靴なんて履いていません。」と言った。別のあるセールスマンは「最高の市場です。ここでは誰も靴を履いていません。裸足という文化なのです。考え方次第では全員がお客様となる可能性を秘めています。靴の素晴らしさと安全性を、私はみんなに説いて回ります。」と。二人のセールスマンは、同じ時に同じ場所に立っていた。そして同じ景色を見ていました。しかし、根本的な感じ方が違っていた。ひとりはダメだと感じ、もうひとりはいけると感じた。この感じ方の原点は、想像力にある。想像力とは、自分の行動の後に起こるであろう現象を想像できる力のこと。
この想像力の限界、すなわちイメージの限界が自分の可能性への限界だとも言えます。つまり、人は自分がイメージした以上のことはできないということ。
できるかできないか、可能か不可能かを決めていたのは、いつも自分なのです。自分の中で「これは無理、これは大丈夫だ」と。そのイメージを規制概念というのですが、そのイメージの枠が小さければ小さいほど、その人の可能性も小さくなり、大きければ大きほど、その人の可能性は広がるのです。
人生は、100回挑戦して一回成功するか、いや、1,000回挑戦して一回成功するかです。その失敗のたびに事実を受け入れるのです。言い訳をしないで。
7 魔法その5 応酬話法
- 正しく使うこと。
- 相手の考えや意見を尊重した上で自分の考えを伝えること。
- 説得ではなく納得していただくための会話力。
- 相手の不安を速やかに取り除き、有意義な結論を導く。
- 人は普段考えていることが言葉になる。
- 技術の前に正しい心を。
- 口はひとつ、耳はふたつ。まず心でしっかり相手の話を聴くことから始まる。
早起きするしてできた時間で、自分の1日を計画し、明日を計画し、1年後を計画し、5年後、10年後へと夢を膨らませる。
応酬話法とは、常に相手が答えやすいように話を進める話法です。まず、よく聴くということです。耳で聞くではなくて、心で「聴く」です。
不平や不満は、それを口に出した途端、ものすごいネガティブ・オーラを発する。営業マンは、決してそのようなことを普段から口にしてはいけません。なぜなら、ネガティブ・オーラはどんどん伝染していき、自分のまわりの全てを暗く陰湿なものに変えてしまうからです。
旅人の話(70頁)
8 魔法その6 二者択一法
- AとBの2つの引例を用意する。
- 大きなグループから、的を小さく絞ってゆく。
- 相手がイメージしやすい引例を使用する。
- アポイントは自分の予定を上手に交わすこと。
- 5分という時間は30分の了解と同じ。
二者択一話法とは、AにするかBにするかと、2つの選択肢を用意して質問する方法です。漠然と質問されるより、聞かれた人は答えやすいものです。さらに、答えやすいだけでなく、プラスアルファまで話してくれる。
よく、聞上手でいようと無言でいる人がいますが、それでは全然ダメです。会話には適度な相槌と質問。この2つが大切です。
比較的お時間にゆとりがあるのは、今週と来週のどちらでしょう?(大きなグループから入る。)7割は来週、ここで週の前半を指定したお客様は大変興味を持っている。残りの3割はあってくれない。今週を指定した人は、かなりできる人、十分な理論武装が必要。
アポイントとは、極力、お客様を優先しながら、自分のスケジュールに合わせることが大切です。
9 魔法その7 イエス・バット話法
- まず、お客様の意見を肯定すること。
- その意見に対して質問を繰り返す。
- すると、お客様自身が違う考えを自分自身で導いてくださる。
- しかし、技術を乱用するのではなく、営業職の使命を全うすること。
- やり方ではなく在り方を大切に。
イエス・バットの「バット」はこちらが言うのではなく、お客様に行っていただくんです。違う考えもあるなとお客様に気づいていただくんです。
そのために、お客様の意見をしっかりお聴きした上で、その後、その意見に対して質問します。質問していくことが、イエス・バット話法の極意。どんどん肯定しながら質問を繰り返すうちに、お客様自身でイエス・バットを繰り返してくださるんです。そして、それは押し付けられたバットの意見ではなく、自分で導き出した考えであるため、決して不快な思いはせず、勝手にクロージングを自分自身にかけていってくださるんです。
10 魔法その8 質問話法
- ノーが出たときこそ、本音を聞くチャンス。
- 明るく笑顔で白旗を揚げ「本当のところはどうなのでしょう?」と聴く。
- お客様自身、意外と自分の本音には気がついていないケースが多い。
- 本心を教えていただいた瞬間から、徹底的にその解決に集中する。
- そして、常に笑顔で自身にあふれた表情と態度でお客様に接すること。
幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せだ(ウイリアム・ジェイムズ)
「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」
⇨心は感情ではなく、意志の力で制御することで、どんどん前向きな人生に変えられると言うことを発見
「快活さを失った時、他人にたよらず自発的に快活さを取り戻す秘訣は、いかにも楽しそうな様子で動き回ったり、しゃべったりしながら、すでに快活さを取り戻したように振る舞うことである」
⇨客からノーをいただいて落ち込みそうになった時こそ、明るく振る舞うことで運命を変えられるということ
「人間には、その人がなりたいと思うようになる性質がある」=「イメージした通りの自分にしかなれない」
「本当のところはどうなのでしょう?」と言う質問こそ、質問話法の究極の技術なんです。何を検討したいかを直接聞いてしまう。
コツは一度白旗を上げるところにあります。「わかりました、ご検討ください。(もう売り込みません)だから、本当のことをお聞かせください。」と言う具合でする。
⇨お客様の提示した問題点的を絞って、しっかり解決策を提示する。徹底的に聞き役に徹して、問題解決のお手伝いをする。
⇨紙谷さんは、いつも僕の話をしっかり聞いてくれて、決して後ろ向きなことを言いません。それどころか「君なら絶対にできる」という自信を与えてくれます。言葉だけでなく態度や表情で。
いつも自信に溢れていて、そしてニコニコと微笑み、僕に安心感と安らぎを与えてくれる、その表情で
学ぶ言葉は真似ぶから来たとも言われています。つまり真似ることから全ては始まるのです。真似ることは盗むことです。盗むには気づくことです。気付くには普段から考えるというアンテナを張っていなければいけません。
11 魔法その9 類推話法(ストーリー話法)
- ひとつひとつの例え話を交えて、伝えたいことを話す。
- 第三者の言葉として活用できるため、謙虚な姿勢を保ったまま活用できる。
- 数多くの例え話を用意する必要がある。
礼儀や作法はひとつの型なんです。それを極めたときに初めて、「なぜ」に気づくんです。鍛錬を飛び越えることはできないのです。
営業の型は、聴く、観る、伝える、この3つです。営業の形は、まさに人の話を聞くことから始まります。聴いて、聴いて、聴きまくってください。聴くうちにお客様の何かが観えてきます。心、思考、癖、価値観、悩み、問題、不安、様々なものが観えてきます。そして、そのお客様のために自分はどうしたいのかがわかってきます。すると、自然に伝えたいことは何なのかが分かり、情熱を持って伝えることができます。
「守破離」
「守」は徹底的に師匠を真似ることを説いています、つまり形から入り形に終わることです。「破」は真似(学び)ぬいた教えに己の工夫を交え、その技を発展させること。そして「離」は全てを解放し、心と技に独自性を持たせ、新しい境地への道を極めるものとする教え。
一流の先輩達の真似をするのです。時間管理、健康管理、環境管理、金銭管理、この4つの自己管理を。そして、聴き方、観方、伝え方を。
一流に触れ感性を磨き、真似ることで、信じられないほどの能力が開花していくのです。営業の一流は、数字だけでなく、①顧客の質、②契約到達時間、③目標到達意欲、の3つの要素を恒常的に成長させる能力を備えていることです。
類推話法とは、ひとつひとつのたとえ話をしながら、伝えたいことをお話しをする話法です。類推話法の絶大な効果は、第三者による「話」なので、どんな立派なことや、偉そうなことを話しても、決して相手に嫌味聞こえないということです。
人はストーリーが大好きです。実話だったり、成功例だったり、はたまた失敗例などを盛り込み、お客様の想像力を活用しながら、自分の伝えたいことを展開していくのが類推話法です。
もっと熱く、情熱的に、そして悠々と今日を受け止めろ。できない理由、やれない理由が頭に浮かぶのは、目的から目をそらしているからだ。不可能だと囁く魔物を、自分の強い意志の力で心から追い出しなさいと。私は目的から逃げていたんです。誰を幸せにしたいのかという人生最大の目的から。人は、目的から目をそらした途端、とつてもない恐怖に包み込まれます。
⇨即断即決を繰り返すことで、モヤモヤは一つもなくなり、常に頭の中がスッキリした状態になる。
⇨朝起きするようになってから、全てがうまくいくようになりました。まず、心がスッキリし、いつでも瞬間的に物事を決断できるようになりました。すると、時間に多くのゆとりが生まれます。人間はいかに、「意味のない悩み」に時間をしょうひしているかに気づくのです。
なりたいと思うのではなく、なると決意するのです。決意した瞬間、その目標の9割は達成されているのです。あとは行動だけです。
人生は、早いもの、強いもの、に部があるわけじゃありません。目標から目をそらさずコツコツ積み重ねるのです。そして一つ一つの目標をクリアし目的を達成するのです。
⇨トップになることは目標でしかないのです。トップになってどうしたいのかが大切なんです。そこに目的を置き、しっかり見据えてください。
営業の心得
- 営業の形(基本)は、聴く、観る、伝えるの3つだけ。
- 目標は決意した瞬間に9割が達成されている。
- 目標をクリアした先に目的がある。
心に不安を持つ人や、自信のない人などは、やはり弱々しく握手してくる。
推定的承諾話法とは、お客様がイエスであると仮定しドンドン具体的な話を展開していく話法です。「もし、仮に、」
クロージングは意識してスタートしなければなりません。そのスイッチとなるのが、この推定的承諾話法なのです。
⇨推定的承諾話法+二者択一話法
「もし仮に導入いただけた場合、平日でも可能でしょうか、それとも休日の法がよろしいでしょうか?」
⇨推定的承諾話法+イエス・バット話法
「もし仮に、空気清浄機を設置した場合、実際に障害となる問題は何でしょうか?」
*推定的応酬話法はクロージングの始まりのスイッチになるが、ここでも「間」が重要。慌ててはいけない。
12 魔法その10 推定承諾話法
- その商品を活用することを前提に、様々な条件確認作業を行う話法。
- もし、仮に…という前置きでドンドン問い掛ける。
- 推定的承諾話法と二者択一話法などはミックスして使える。
- クロージングのスイッチである。
プロの営業マンと普通の営業マンとの決定的な違いは、クロージングにあります。クロージングをかけたつもりになっている人と、しっかりクロージングをかける人の違いです。
クロージングとは、イエスかノーかの結論を出すために、お客様に働きかけることを言います。
⇨「検討する」と言われた場合には、「本当のところはどうなのか」と質問する。さらに、お客の回答に対して、「もし仮に」を使ってクロージングのスイッチを入れる。以下繰り返し。
⇨クロージングに大切なことは肯定暗示法を使うことです。
肯定暗示法とは、「いい切る」技術です。曖昧な言葉を一切排除して、全て「イエス」を前提に話を進めるのです。語尾に「?」の付く言い回しんを一切止めて、「!」をつけて力強く断言します。
営業に必要な心構えは「先義後利」。利益は後で、まず正しい生き方が先ということ。自分の利(イエスにはやる心)をぐっと押さえ、しっかり誰を幸せにしたいのかを思い続けてください。
クロージングの8つの基本
- 慌てない
- 余計なことをしゃべらない
- 「間」をとる
- 悲壮な表情、態度をしない
- 物乞い長にならない
- 悠然と
- ジッと待つ
- そして、クロージングを掛けているという意識を強く持つ
13 魔法その11 肯定暗示法
- 曖昧な言葉を一切排除して、すべて「イエス」を前提に「いい切る」技術。
- ポジティブ話法ともいい、語尾に「?」の付く言い回しを一切止めて「!」をつけて力強く断言する。
- 購入を前提に結論に持って行く。
- 「先義後利」を忘れないこと。
14 一冊一顧客ノート
そのノートの中には、びっしり、客様と打ち合わせをした情報を日記の要領で書き留めていた。何気なく話題に上った会社の名前、社長様の名前 、偶然出くわした出入りの業者様の名前、お茶を頂き談笑している時にかかってきた電話の相手先の名前、訪問先の受付の方の名前、特徴、会社の雰囲気、規模、自分を含めた外部業者への対応、キーマンなど、気づいたこと。そして機会があると、そのノートから話題を振ってみる。すると、そこからはんしがドンドン広がり、また新しい情報をいただくことができた。時には見込み客を紹介してくださったり、一緒に同行してくださったりと。今では、アポ掛けや、飛び込みをすることなく、次々にご紹介を頂けるようになりつつあった。
クライアントと営業マンの距離は、会う回数や面談時間に比例し、お客様と接する時間が長くなると、放置していた時間に反比例して信頼度と心の距離感がスライドする。60日以上コンタクトを取らない顧客と営業万の距離は15ポイントまで落ち込む
15 魔法その12 ポジティブ・シンキング
- 明確なビジョンのもとで、それに向かって思考を集中し断固たる勇気を持って行動すること。
- ビジョンから目をそらさないこと。
- 身を投げ出す勇気を持っていること。
誰を幸せにしたいのか。
16 未来へ
17 魔法ノート