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「人を動かす」D・カーネギー

「人を動かす」D・カーネギー

https://www.amazon.co.jp/人を動かす-文庫版-D・カーネギー/dp/442210098X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1520943584&sr=8-1&keywords=d+カーネギー+人を動かす

 

 

第1 人を動かす三原則

1 盗人にも五分の利を認める

批判も非難もしない。苦情も言わない。

 

  • 動物の訓練では、良いことをした時に褒美をやった場合と、間違った時に罰を与えた場合と比べると、前の方がはるかに良く物事を覚え、訓練の成果が上がることを実証した。同じことが人間にも当てはまる。
  • 人を非難するのはちょうど天に向かって唾をするようなもので、必ず我が身に返ってくる。
  • 手厳しい非難や詰問は、たいていの場合、なんの役にも立たない
  • 死ぬまで他人に憎まれたい方は、人を辛辣に批評してさえいればいい。その批評が当たっていればいるほど、効果はてきめんだ。およそ人を扱う場合には、相手を理論の
  • 動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということをよく心得ておく必要がある。
  • ベンジャミン・フランクリンの成功の秘訣は、「人の悪口を決して言わず、長所を褒めること」
  • 人を批評したり、非難したり、小言を言ったりすることは、どんな馬鹿でもできる。そして馬鹿者に限って、それをしたがるものだ。理解と寛容は、優れた品性と克己心を備えた人にはじめて持ち得る徳である。
  • イギリスの思想家カーライルによると「偉人は、小人物の扱い方によって、その偉大さを示す」
  • イギリス文学者ドクター・ジョンソンによると「神様でさえ、人を裁くには、その人の死後までお待ちになる」

2 重要感を持たせる

率直で誠実な評価を与える。

  • 自ら動きたくなる気持ちを起こさせること
  • 人間の持つ最も根強い衝動は「重要人物たらんとする欲求」
  • 「私には、人の熱意を呼び起こす能力がある。これが、私にとって何物にも代えがたい宝だと思う。他人の長所を伸ばすには、褒めることと、励ますことが何よりの方法だ。条約から叱られることほど、向上心を害するものはない。私は決して人を非難しない。人を働かせるには激励が必要だと信じている。だから、人を褒めることは大好きだが、けなすことは大嫌いだ。気に入ったことがあれば、心から賛成し、惜しみなく賛辞を与える」
  • お世辞と驚嘆の言葉とはどう違うか?答えは簡単である。後者は真実であり、前者は真実ではない。後者は心から出るが、前者は口から出る。後者は没我的で、前者は利己的である。後者は誰からも喜ばれ、前者は誰からも嫌われる。
  • 相手の自己評価にぴったり合うことをってやること

3  人の立場に身を置く

強い欲求を起こさせる。

  • 人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ
  • アメリカの心理学者オーベストリートによると「人間の行動は、心の中の欲求から生まれる、、、高ら、人を動かす最善の方法は、まず、相手の心の中に強い欲求を起こさせることである」
  • 客というものは自分で買いたいのであって、売りつけられるのは嫌なのだ

 

第2 人に好かれる六原則

1 誠実な関心を寄せる

 

誠実な関心を寄せる。

  • 友を得るには、相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せること
  • 心理学者アルフレッド・アドラー「他人にことに関心を持たない人は、苦難の人生を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑はかける。人間のあらゆる失敗はそういう人たちの間から生まれる」
  • 友ををたいたいと思えば、他人を熱意ある態度で迎えることだ。電話がかかってきた場合にも、同じ心がけが必要で、電話をもらったのが大変嬉しいという気持ちを十分に込めて「もしもし」と答えるのである。強い関心を示すことによって、個人的に友を作ることができるだけではなく、相手が我々の務める会社の顧客であれば、会社への忠誠心ともいうべき気持ちを育てることすらできる。

2 笑顔を忘れない

笑顔で接する。

  • 心温まる微笑み、心の底から出てくる笑顔、千金の価値のある笑顔
  • まるでどんちゃん騒ぎでもしてるような具合に仕事を楽しみ、それによって成功した人間を何人か知っているが、そういう人間が真剣に仕事と取っ組み始めると、もうだめだ。だんだん仕事に興味を失い、ついには失敗してしまう。
  • 幸福は外的な条件によって得られるものではなく、自分の気の持ち方ひとつで、どうにでもなる。
  • シェイクスピア「およそ人は、幸福になろうとする決心の強さに応じて幸福になれるものだ」
  • 家から出る時は、いつでも顎を引いて頭をまっすぐに立て、できる限り大きく深呼吸をすること。日光を吸い込むのだ。友人には笑顔を持って接し、握手には心を込める。誤解される心配などはせず、敵のことに心を煩わさない。やりたいことをしっかりと心の中で決める。そして、まっしぐらに目標に向かって突進する。大きな素晴らしいことをやり遂げたいと考え、それを絶えず念頭に置く。すると月日の経つにしたがって、いつの間にか、念願を達成するのに必要な機械が自分の手の中に握られていることに気がつくだろう。あたかも珊瑚虫が潮流から養分を摂取するようなものである。また、有能で真面目で、他人の役にたつ人物になることを心がけ、それを常に忘れないでいる。すると、日に経つに従って、そのような人物になっていく。心の動きは絶妙なものである。正しい精神状態、すなわち男気、率直、明朗さを常に持ち続けること。正しい精神状態は優れた創造力を備えている。全ての物事は願望から生まれ、心からの願いは全て叶えられる。人間は、心がけた通りになれるものだ。顎を引いて頭をまっすぐに立てよう。神となる前段階、それが人間なのだ。

3 名前を覚える

名前は、当人にとって、最も快い、最も大切な響きを持つ言葉であることを忘れない。

  • 人間は他人の名前など一向に気に留めないが、自分の名前になると大いに関心持つということを、ジム・ファーレーは早くから知っていた。自分お名前を覚えて、それを読んでくれるということは、まことに気分のいいもので、つまらぬお世辞よりもよほど効果がある。
  • 友達や取引関係者の名を尊重するのが、カーネギーの成功の秘訣の一つ
  • ベントン・ラブ「冷たい会社を暖かくするには、一つ方法がる。人の名前を覚えることだ。重役たちの中には名前が覚えられないという人もいるが、つまりは重要な仕事が覚えられない、すなわち仕事の基礎ができていないことを告白しているのだ」
  • いくら忙しくても、フランクリン・ルーズベルトより忙しい人はいないはずだ。そのルーズベルトが、たまたま出会った一介の機械工の名前を覚えるために、時間を割いている
  • ルーズベルトは、人に好かれる一番簡単で、わかりきった、しかも一番大切な方法は、相手の名前を覚え、相手に重要感を持たせることだということを知っていたのである
  • 有権者の名前を覚えること、それが、政治的手腕というものである。それを忘れること、すなわち、忘れられることである」

4 聞き手にまわる

聞き手に回る。

 

  • ジャック・ウッドフォード「どんな褒め言葉にも惑わされない人間でも、自分の話に心を奪われた聞き手には惑わされる」
  • チャールズ・エリオット「商談には特に秘訣などというものはない、、、ただ、相手の話に耳を傾けることが大切だ。どんなお世辞にも、これほどの効果はない」
  • 些細なことにも、躍起になって文句を言う人がいる。なかには相当悪質なものもいるが、そういう悪質な連中でも、辛抱強くしかも身を入れて話を聞いてくれる人、、いくらいきり立ってコブラのように毒づいても、じっと終わりまで耳を傾けてくれる人に対しては、たいてい大人しくなるものである。
  • アイザック・マーカソン「自分の言おうとすることばかり考えていて、耳の方が留守になっている人が多い、、、お偉い方はとにかく話し上手よりも聞き上手な人を好くものだ。しかし、聞き上手という才能は、他の才能よりはるかに得難いもののようである」
  • 「世間には、自分の話を聞いてもらいたいばかりに、医者を呼ぶ患者が大勢いる」
  • 「自分のことだけしか考えない人間は、教養のない人間である。たとえ、どれほど教育を受けても、教育が身につかない人間である。」話し上手になりたければ、聞き上手になることだ。興味を持たせるためには、まず、こちらが興味を持たせねばならない。相手が喜んで答えるような質問をすることだ。相手自身のことや、得意にしていることを話させるように仕向けるのだ。あなたの話し相手は、あなたのことに対して持つ興味の百倍もの興味を、自分自身のことに対して持っているのである。

5 関心のありかを見抜く

相手の関心を見抜いて話題にする。

  • ルーズベルトは、誰か訪ねてくる人があると分かれば、その人の特に好きそうな問題について、前の晩に遅くまでかかって研究しておいたのである。
  • 相手の関心を見好き、それを話題にするやり方は、結局、双方の利益になる。

 

6 心から褒める

重要感を与える。誠意を込めて
  • 心からの賞賛には、このような計り知れない威力がある。
  • 相手の心を確実につかむ方法は、相手が相手なりの世界で重要な人物で重要な人物であることを率直に認め、そのことをうまく相手に悟らせることだ。
  • 人と話しをする時は、その人自身のことを話題にせよ。そうすれば、相手は何時間でもこちらの話しを聞いてくれる。

 

 

第3 人を説得する十二原則

1 議論を避ける

議論に勝つ唯一の方法として、議論を避ける。

  • 議論に勝つ最善の方法は、この世にただ一つしかないという結論に達した。その方法とは、議論を避けることだ。議論に負けてもその人の意見は変わらない。
  • ベンジャミンフランクリン「議論したり反芻しているうちには、相手に勝つようなこともあるだろう。しかし、それは虚しい勝利だ。相手の行為は絶対に勝ちえないのだから」
  • 彼は重要を求めた。
  • 意見の不一致から口論を避ける方法。①意見の不一致を歓迎せよ、②最初に頭をもたげる自己防衛本能に押し流されてはいけない、③腹を立ててはならない、④相手の言葉に耳を傾けよ、⑤意見が一致する点を探せ、⑥率直であれ、⑦相手の意見をよく考えて見る約束をし、その約束を実行せよ、⑧相手が反対するのは関心があるからで、大いに感謝すべきだ、⑨早まった行動を避け、双方がじっくり考え直す時間を置け
  • オペラ歌手「私たち夫婦は、昔一つの協定を結び、どんなに腹の立つことがあっても、これを守り続けてきた。二人のうちどちらかが怒鳴り始めたら、もう一人は黙ってそれに耳を傾けるという取り決めだ。なぜかといえば、二人とも怒鳴り始めたら、たちまち意思の疎通はぶっ飛び、あとはただ騒音で空気が振動するだけなのだから」

2 誤りを指摘しない

相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない。

  • 「おそらく私の間違いでしょう。私はよく間違います。一つ事実をよく考えてみましょう」という文句には、驚くほど不思議なほどの効果が有る。
  • 「お恥ずかしい話ですが、私どものお店でもこれまでにヘマをしたことが何回かあります。今度も、何か考え違いがあるかもしれません。お気づきの点がありましたら、どうぞおっしゃってください」⇨議論がおさまり、相手も寛大な態度を示そうとする
  • 控えめに意見を述べると、相手はすぐに納得し、反対する者も少なくなった。私自身の誤りを認めるのが大して苦にならなくなり、また、相手の誤りも、たやすく認めさせることができるようになった。「自分としてはこう思うのだが、」とか「私にはそう思えるのだが、」というべき。また、相手が間違ってる場合にも「なるほどそういう場合もあるだろうが、しかしこの場合は、少し事情が違うように思われるのだが、」といった切り出しをする。

 

3 誤りを認める

自分の誤りを直ちに快く認める。

  • 自分に誤りがあるとおわかれば、相手の言うことを先に自分でいってしまうのだ。そうするれば、相手には何も言うことができなくなる。十中八九まで、相手は寛大になり、ことらの誤りを許す態度に出るだろう。

4 穏やかに話す

穏やかに話す

  • リンカーン「バケツ一杯の苦渋よりも一滴の蜂蜜の方が多くのハエが取れるということわざはいつの世も正しい。人間についても同じことが言える。もし相手を自分の意見に賛成させたければ、まず諸君が彼の味方だと分からせることだ。これこそ、人の心をとらえる一滴の蜂蜜であり、相手の理性に訴える最善の方法である。」
  • ダニエル・ウェブスター「比べる者のない堂々たる風采と雄弁に恵まれ、自己の主張を通すことにかけては、彼の右に出る者弁護士はいなかった。しかし、どんな議論を戦わす場合でも、彼は極めて穏やかな態度で切り出した。決して高圧的な言い方はしない。自分の意見を相手に押しつけようとはせず、穏やかな、打ち解けた態度を示す。それが彼の成功を追いに助けたのだろう。」

5 「イエス」と答えられる問題を選ず

相手が即座にイエスと答える問題を選ぶ

  • 人と話をするとき、意見の異なる問題をはじめに取り上げてはならない。まず、意見が一致している問題から始め、それを絶えず強調しながら話を進める。互いに同一の目的に向かって努力しているのだということを、相手に理解させるようにし、違いただその方法だけだと強調するのである。最初は、相手にイエスと言わせるような問題ばかり取り上げ、できるだけノーを言わせないようにしておく。
  • はじめにノーと言わせてしまうと、それをイエスに変えさせるためには、大変な知恵と忍耐がいる。

6 喋らせる

相手に喋らせる

  • キャベリアスは、相手の業績を調べる手数をかけた。相手に関心を指名s他のである。そして、相手に喋らせて、好印象を与えたのである。

7 思いつかせる

相手に思いつかせる

  • 人から押し付けられた意見よりも、自分で思いついた意見の方を、我々は、はるかに大切にするのである。すると、人に自分の意見を押し付けようとするのは、そもそも間違いだと言える。暗示を与えて、結論は相手に出させる方が、よほど利口だ。

8 人の身になる

人の身になる

  • 相手は間違っているかもしれないが、相手自身は、自分が間違っているとは決して思っていないのである。だから、相手を非難しても始まらない。非難は、どんな馬鹿ものでもできる。理解することに努めなければならない。賢明な人間は、相手を理解しようと努める。
  • 人を扱う秘訣は、相手の立場に同情し、それをよく理解することだ

9 同情を寄せる

相手の考えや希望に対して同情を寄せる

  • 「あなたがそう思うのはは、もっともです。もし私があなただったら、やはり、そう思うでしょう。」と言って話始める
  • 「人間は一般に、同情を欲しがる。子供は傷口を見せたがる。時には同情を求めたいばかりに、自分から傷をつけることさせある。大人も同様だ、傷口を見せ、災難や病気の話をする。ことに手術を受けた時の話などは、事細かに話したがる。不幸な自分に対して自己憐憫を感じたい気持ちいは、程度の差こそあれ、誰にでもあるものだ」

10 美しい心情に呼びかける

人の美しい心情に呼びかける

  • 相手の信用状態が不明な時は、彼を立派な紳士と見なし、そのつもりで取引を進めると間違いないと、私は経験で知っている。要するに、人間は誰でも正直で、義務を果たしたいと思っているんだ。これに対する例外は、比較的少ない。人をごまかすような人間でも、相手に心から信頼され、正直で公正な人物として扱われると、なかなか不正をことはできないものなのだ

11 演出を考える

12 対抗意識を刺激する

対抗意識を刺激する

  • 仕事の生産性を上げるには、「仕事には競争心が大切である。あくどい金儲けの競争ではなく、他人よりも優れたいという競争心を利用すべきである」優位を占めたいという欲求、対抗意識、負けじ魂、男の気迫に訴えかけるのだ。
  • 給料され出せば人が集まr、人材が確保できるとは限らない。ゲーム精神を取り入れることが必要だ。

 

第4 人を変える九原則

1 まず褒める

まずほめる。

  • このように、まず相手を褒めておくのは、歯医者がまず局部麻酔をするのによく似ている。もちろん、後でガリガリとやられるが、麻酔はその痛みを消してくれる。

2 遠回しに注意を与える

遠回しに注意を与える。

  • この失敗は「しかし」を「そして」に変えると、すぐに成功に転じる。(ほめる⇨そして、こうするとさらに良いという言い方をする。)
  • 遠回しに注意を与える方法は、直接批判されることに強く反発する神経質な人たちには、驚くこと効果がある。

3 自分の過ちを話す

自分の過ちを話した後相手に注意する。

  • 人に小言を言う場合、謙虚な態度で、自分は決して完全ではなく、失敗も多いがと前置きして
  • 、それから間違いを注意してやると、相手はそれほど不愉快な思いをせずに済む

4 命令はしない

命令をせず、意見を求める。

  • 「こう考えたらどうだろう」「これでうまくいくだろうか」などといった具合に相手に意見を求めた。「ここのところは、こう言う言い方をすれば、もっと良くなるかもしれないが、どうだろう」ということも良くあった。彼はいつも自主的に仕事をやらせる機会を与えたのだ。決して命令はせず、自主的にやらせる。そして、失敗によって学ばせた。こういうやり方をすると、相手は自分の過ちが直しやすくなる。また、相手の自尊心を傷つけず、重要感を与えてやることにもなり、反感の代わりに協力の気持ちを起こさせる。押し付けがましい命令は、後にしこりを残す。たとえそれが、明らかな誤りを正すためであっても、そうだ。

5 顔をつぶさない

顔を立てる。

  • 「相手の自己評価は木津つけ、自己嫌悪に陥らせるようなことを言ったり、したりする権利は私にはない。大切なことは、相手を私がどう評価するかではなくて、相手が自分自身をどう評価するかである。相手の人間としての尊厳を傷つけることは犯罪なのだ」

6 わずかなことでも褒める

わずかなことでも惜しみなく心から褒める。

  • なぜ、鞭の代わりに肉を、批評の代わりに賞賛を用いいないのだ?たとえ少しでも相手が進歩を示せば、心から褒めようではないか。それに力を得て、相手はますます進歩向上するだろう。
  • 「ほめ言葉は、人間に降り注ぐ日光のようなものだ。それなしには、花咲くことも成長することもできない。我々は、ことあるごとに批評の冷たい風を人に吹き付けるが、ほめ言葉という温かい日光を人に注ごうとはなかなかしない」
  • その言葉が具体性を持っていて初めて誠意のこもった言葉、つまり、ただ相手を喜ばせるための口先だけのものではない言葉として、相手の気持ちをじかに揺さぶるのである

7 期待をかける

期待をかける

8 激励する

激励して能力に自信を持たせる。

9 喜んで協力させる

喜んで協力させる 

 

(まとめ)「結婚と家族のこれからー共働き社会の限界」筒井淳也

「結婚と家族のこれからー共働き社会の限界」筒井淳也

https://www.amazon.co.jp/結婚と家族のこれから-共働き社会の限界-光文社新書-筒井-淳也/dp/4334039278

一言:税金と婚姻・出産の関係性が印象的

 

 

第1章 家族はどこから来たか

  • 古代の見本社会では意外にも男女が平等な結婚・家族の形が見られた。なぜなら、女性にとっての生活基盤がしっかりしていれば男性が結婚・家族において優勢になる理由がないから
  • 明治に浸透する家制度の根底には明治民法があった
  • 日本における家族の歴史を振り返ることができる。勉強になる
  • 明治民法下では、戸主が庶子を入家させるにあたり、妻の同意を得る必要はなかった。妻からすれば、自分の子供でもない者を家に組み入れられ、しかも自分はその者の嫡母として庶子を扶養する義務を負うのでたまったものではない。
  • 明治民王の庶民の家族では、家父長制度はこう言った生活上での合理性からは説明できず、自然に根付くようなものではなかった。明治政府は、天皇を頂点とした支配体制を強化するという政治的な目的で、家制度を上から押し付けていた。天皇は、この家父長制度の頂点に立つ存在
  • この堅苦しい家制度から自由になるには、個人が食べていく手段を獲得する必要がある(自分で商売を始めるか、あるいは会社に雇ってもらうことが必要)。富岡製紙工場等は、女性が繊維工場で稼いだお金で経済的に自立し、その上で好きな男性と結婚して共働き世帯を構えるということではなかった。稼ぎは家に帰属するものだった
  • 確かに雇われるということは、会社の経営者や管理職の指揮下に入ることです。しかし、同時にそれは、自分の稼ぎを得ることで家、つまり親からの経済的自立を獲得するということ

第2章 家族はいまどこにいるか

  • 人々が男性のみならず女性も雇用を通じて経済的に自立して、自由に人間関係を作るためには、安定した雇用が男女に行き渡っていること、家事や育児のサービスが何らかの形で提供されていること、そして高齢者が少なく、それを支えるコストが小さいこと、この3つの条件が必要。

第3章 家事分担はもう古い?

  • 夫婦間の家事分担はどのように決まっているのか。どういった要因によって夫婦間の分担の差が生まれているのか。それは、時間と経済力。少なくとも日本の家事分担には夫婦間の圧倒的な不公平がある
  • アメリカのように所得格差を利用して使用人を雇用する方向に行くのか、それとも北欧のように公的雇用を増やすのか。どちらも日本人にとっては考えにくい方向性です。弊害がすくないのは北欧だろう

第4章 男女平等家族がもたらすもの

  • 共働きカップルが多い国方が出産率が高い傾向が見て取れる
  • 共働き社会が格差を利用することの一つの問題、つまりケア・サービスを供給する側が、自分たちのケアの機会を奪われる

第5章 家族の未来の形

  • 少子高齢化は、様々な点で国全体の経済的余裕を失わせる。問題は、そうすると自由な親密性のための経済的基盤も失われるということです
  • 家族をセイフティネットと考えないといけない社会は、リスクを伴う社会でもある
  • 共働き社会化が基本的に進めば、今度は夫と妻は共同経営者として仕事と家庭の運営を行うことになる。夫にとっての仕事、妻にとっての仕事、夫婦にとっての家庭、これら3つの部門が全てうまくいくように行くように調整する必要がある。しかし、うまくいかず、どれかが犠牲になる。
  • リスクを軽減するために、仕事の領域でも家族の領域でもない第三の領域、すなわち政府・非営利組織がバックアップする必要がある。
  • 社会に必要なのは、ある程度安定した雇用が十分に供給されていること、それを通じて豊富な公的資金が得られること、そうしてできた財政的余裕を、人びとが仕事をしたり、家族を作ったり作らなかったりすることのリスクを減らす方向に使うことです。北欧型国家がこれに近いが、性別職域分離や排外主義といった副作用が見られる。福祉国家は国民に高負担を強いるだけに、政府に既出した資金を自分たちの国に最初から住んでいた人以外(移民)に使うことに対して激しい抵抗が生じます

 

(まとめ)「嫁はんをいたわってやりたいー旦那のための妊娠出産読本」

「嫁はんをいたわってやりたいー旦那のための妊娠出産読本」

 

一言:結婚、妊娠の際には再読すべし

  • オメデタ 妊娠検査薬で陽性が出てもオメデタではない。心拍が見えてくる妊娠8週目でオメデタを告げるようにしている。なぜなら、流産の危険があるから。
  • 予定日は40週0日。分娩には、胎児、山道、子宮収縮の三要素が絡む。
  • 日本の正期産は37週0日から41週6日。42週目以降は胎盤の機能が落ちてくるので赤ちゃんにとっては危険に成る。赤ちゃんの死亡率でいうと、22週目以降は下がっていき、40週0日あたりでもっとも低く成る。ところが42週を越えると、死亡率がぐんと上がる。
  • 陣痛促進剤を使った場合、子宮口が十分に開かずに陣痛が強くなったり、最悪の場合は子宮破裂というリスクも伴います。
  • 安定期はない。安定期だからー〜しても大丈夫ですよね?という質問に対しては全く同意できませんと答えています。
  • 妊娠8週目からつわりが始まる。12週くらいになると胎盤が完成するため、つわりがストンと治ります。遅くとも16週までには治るのです。1ヶ月から1ヶ月半の辛抱だ
  • ポテトチップスとコーラで乗り切れ。
  • 赤ちゃんは卵黄嚢というお弁当箱を持っている。母体はまずビタミン🅱群が不足しやすい。これが不足すると、ウェルニッケ脳症という命に関わる脳症になるリスクがある
  • 妊娠時の体重増加もプラス10キロまではオッケー
  • タバコは百害あって一利なし
  • コーヒー。カフェインで母体が貧血気味になるか胎盤への悪影響や出産時の低体重などのリスクがある。1日に1−2杯まで。お酒。赤ちゃんの発達障害の可能性・転倒による流産早産の危険。
  • 妊婦さんが夜中にご飯を食べると血糖が上がり、胎児も高血糖にさらされる、妊娠中は早寝早起き腹八分目を心がけること
  • 旦那がワクチンを打つこと。旦那から嫁への感染ルートが多い
  • 妊婦が感染症になっても胎児にはあまり影響がない。妊娠中は、ささいな風邪でも高熱で寝込んだり、重症化しやすい。
  • インフル予防接種は妊婦もできる。マスクと手洗いをする
  • 厚生労働省では、妊娠23週までは月に1回、24−35週は2週間に1回、36週以降は週1回で合計14回を標準
  • 超音波検査は原則4回
  • 性別は生まれるまでわからない。女性の大審院は男性の陰茎と解剖学的に同じで、胎児はここが30週くらいまで同じくらいの大きさ。性別告知は少なくとも21週6日までに行うべきものではない。
  • セックスは無理強いしないこと。胎児に負担をかける可能性。感染症のリスク。子宮の入り口を強く刺激すると、子宮は収縮
  • 現時点で普通の店に売っているものは、妊婦も食べていい。赤ちゃんのためにこれさえ食べておけばいいというものはない。良質のタンパク質とビタミンBは意識的に摂取すべし
  • 妊娠中に飲んではいけない薬は、血圧を下げる降圧剤の一部。血液をさらされにする薬の一部(ワルファリン)
  • 妊婦使用不可薬品::ビタミンA(催奇形性)。湿布も不可。解熱申請剤も使用不可
  • 産科医として帝王切開が速やかにできるか、新生児の素性ができるかは重要な要素。周産期の広場、日本周産期・新生児医学会参照
  • 提携を歌う病院は慎重に。実際には提携とは言い難い関係だということも多い。都市部では至近距離で病院があるので受け入れ拒否という事態が起きる
  • 妊婦の体。循環している血液量が1.5倍になる。血液が非常に固まりやすくなる。細胞性免疫の低下。
  • 双子の場合は平均てきな分娩周期が36週。未成熟児で生まれる可能性が高い。双子の場合妊婦にかかる負担は二乗。皮膚が伸ばされて炎症を起こし、皮がむけて痒くなる人もいる。統計的にアジア人では双子が少ないと言われていて、日本人は特にそう。欧米人の六分の1の割合。
  • 陣痛が起こる科学的な根拠は不明。男性は即死レベルの痛み
  • 日本ではお産で死ぬリスクは交通事故で死ぬリスクと同等かそれ以下
  • 流産は意外と多くて約15パーセント。流産とは22週よりも前に妊娠が終わること。特に12週未満の流産が最も多く全体の8割。
  • 35歳以上、リスクが高い。赤ちゃんの染色体異常
  • 早産のリスクを高めるのは、喫煙、飲酒、感染症、合併症。早産で生まれた赤ちゃんは非常に危険な状態(外気で触れるだけで肌が破ける、自発呼吸ができない)
  • 経膣分娩だと経産婦で平均6時間、初産婦で平均8時間。この間赤ちゃんは首を締め付けられている状態。これを解消することが帝王切開のメリット。
  • 立会いお産はめっちゃ邪魔
  • 赤ちゃんは首が座っていないことに注意。実は赤ちゃんは産道を出る時に骨折することもあるが、放っておいてすぐに治る。赤ちゃんは低音にも非常に弱い。
  • 赤ちゃんは訳もなく泣く、試し泣きの時期がある。生後1ー2ヶ月頃
  • マタニティーブルーは産後に起こる。疲れに睡眠不足も重なりますし、ホルモン変化のせいで悲しい気持ちになったり涙が止まらなくなったりする。マタニティーブルーは産後2週間前後にピークになる。最近では産後うつ。⇨基本的に打つと同じで、頑張れとは言ってはいけない。優しく見守ること。最終的には、嫁を一人で子育てしているような感覚に刺せないこと。自分ができることを自分ができるときにやる。そしてそのためには嫁とのコミュニケーションが必須
  • 妊娠出産子育てには胡散臭い情報がありすぎ。

(まとめ)「嫁はんをいたわってやりたいー旦那のための妊娠出産読本」

「嫁はんをいたわってやりたいー旦那のための妊娠出産読本」

 

一言:結婚、妊娠の際には再読すべし

  • オメデタ 妊娠検査薬で陽性が出てもオメデタではない。心拍が見えてくる妊娠8週目でオメデタを告げるようにしている。なぜなら、流産の危険があるから。
  • 予定日は40週0日。分娩には、胎児、山道、子宮収縮の三要素が絡む。
  • 日本の正期産は37週0日から41週6日。42週目以降は胎盤の機能が落ちてくるので赤ちゃんにとっては危険に成る。赤ちゃんの死亡率でいうと、22週目以降は下がっていき、40週0日あたりでもっとも低く成る。ところが42週を越えると、死亡率がぐんと上がる。
  • 陣痛促進剤を使った場合、子宮口が十分に開かずに陣痛が強くなったり、最悪の場合は子宮破裂というリスクも伴います。
  • 安定期はない。安定期だからー〜しても大丈夫ですよね?という質問に対しては全く同意できませんと答えています。
  • 妊娠8週目からつわりが始まる。12週くらいになると胎盤が完成するため、つわりがストンと治ります。遅くとも16週までには治るのです。1ヶ月から1ヶ月半の辛抱だ
  • ポテトチップスとコーラで乗り切れ。
  • 赤ちゃんは卵黄嚢というお弁当箱を持っている。母体はまずビタミン🅱群が不足しやすい。これが不足すると、ウェルニッケ脳症という命に関わる脳症になるリスクがある
  • 妊娠時の体重増加もプラス10キロまではオッケー
  • タバコは百害あって一利なし
  • コーヒー。カフェインで母体が貧血気味になるか胎盤への悪影響や出産時の低体重などのリスクがある。1日に1−2杯まで。お酒。赤ちゃんの発達障害の可能性・転倒による流産早産の危険。
  • 妊婦さんが夜中にご飯を食べると血糖が上がり、胎児も高血糖にさらされる、妊娠中は早寝早起き腹八分目を心がけること
  • 旦那がワクチンを打つこと。旦那から嫁への感染ルートが多い
  • 妊婦が感染症になっても胎児にはあまり影響がない。妊娠中は、ささいな風邪でも高熱で寝込んだり、重症化しやすい。
  • インフル予防接種は妊婦もできる。マスクと手洗いをする
  • 厚生労働省では、妊娠23週までは月に1回、24−35週は2週間に1回、36週以降は週1回で合計14回を標準
  • 超音波検査は原則4回
  • 性別は生まれるまでわからない。女性の大審院は男性の陰茎と解剖学的に同じで、胎児はここが30週くらいまで同じくらいの大きさ。性別告知は少なくとも21週6日までに行うべきものではない。
  • セックスは無理強いしないこと。胎児に負担をかける可能性。感染症のリスク。子宮の入り口を強く刺激すると、子宮は収縮
  • 現時点で普通の店に売っているものは、妊婦も食べていい。赤ちゃんのためにこれさえ食べておけばいいというものはない。良質のタンパク質とビタミンBは意識的に摂取すべし
  • 妊娠中に飲んではいけない薬は、血圧を下げる降圧剤の一部。血液をさらされにする薬の一部(ワルファリン)
  • 妊婦使用不可薬品::ビタミンA(催奇形性)。湿布も不可。解熱申請剤も使用不可
  • 産科医として帝王切開が速やかにできるか、新生児の素性ができるかは重要な要素。周産期の広場、日本周産期・新生児医学会参照
  • 提携を歌う病院は慎重に。実際には提携とは言い難い関係だということも多い。都市部では至近距離で病院があるので受け入れ拒否という事態が起きる
  • 妊婦の体。循環している血液量が1.5倍になる。血液が非常に固まりやすくなる。細胞性免疫の低下。
  • 双子の場合は平均てきな分娩周期が36週。未成熟児で生まれる可能性が高い。双子の場合妊婦にかかる負担は二乗。皮膚が伸ばされて炎症を起こし、皮がむけて痒くなる人もいる。統計的にアジア人では双子が少ないと言われていて、日本人は特にそう。欧米人の六分の1の割合。
  • 陣痛が起こる科学的な根拠は不明。男性は即死レベルの痛み
  • 日本ではお産で死ぬリスクは交通事故で死ぬリスクと同等かそれ以下
  • 流産は意外と多くて約15パーセント。流産とは22週よりも前に妊娠が終わること。特に12週未満の流産が最も多く全体の8割。
  • 35歳以上、リスクが高い。赤ちゃんの染色体異常
  • 早産のリスクを高めるのは、喫煙、飲酒、感染症、合併症。早産で生まれた赤ちゃんは非常に危険な状態(外気で触れるだけで肌が破ける、自発呼吸ができない)
  • 経膣分娩だと経産婦で平均6時間、初産婦で平均8時間。この間赤ちゃんは首を締め付けられている状態。これを解消することが帝王切開のメリット。
  • 立会いお産はめっちゃ邪魔
  • 赤ちゃんは首が座っていないことに注意。実は赤ちゃんは産道を出る時に骨折することもあるが、放っておいてすぐに治る。赤ちゃんは低音にも非常に弱い。
  • 赤ちゃんは訳もなく泣く、試し泣きの時期がある。生後1ー2ヶ月頃
  • マタニティーブルーは産後に起こる。疲れに睡眠不足も重なりますし、ホルモン変化のせいで悲しい気持ちになったり涙が止まらなくなったりする。マタニティーブルーは産後2週間前後にピークになる。最近では産後うつ。⇨基本的に打つと同じで、頑張れとは言ってはいけない。優しく見守ること。最終的には、嫁を一人で子育てしているような感覚に刺せないこと。自分ができることを自分ができるときにやる。そしてそのためには嫁とのコミュニケーションが必須
  • 妊娠出産子育てには胡散臭い情報がありすぎ。

(まとめ)「経営戦略を問いなおす」三品和広

「経営戦略を問いなおす」三品和広

 

https://www.amazon.co.jp/経営戦略を問いなおす-ちくま新書-三品-和広/dp/4480063226

 

 

第1章 誤信

 戦略の目的は長期利益の最大化。戦略とは、新たな市場取引を創造し、それによって人々の幸福度を増進させること。いつでも誰でも思い立った時に立てられるようなものは戦略ではありません、そういうものは、短期の戦術です。

 

 ヒロセ電機もウシオ電機キーエンスも手を伸ばせば届くはずの売り上げに、あえて手をつけていないのです。言い換えれば、売り上げは伸ばすものではなく、選ぶものという意識がどこかにあるのでしょう。そのためか、三社とも自社工場を大きく構えません。工場があると、どうしても工場を動かすために売り上げ目標が立つのですが、そうなると本末転倒です。三社はそれを回避して、あくまでも売り上げ選別の姿勢を貫いています。

 規模を拡大した方が負けという図式が成り立つの事は、意外だと思いませんか。成長を「目的」とする愚が、これで少しは伝わるのではないでしょうか。売上は、伸ばすより選ぶことが肝心なのです。

 

第2章 確信

 一に立地、二に立地、三、四が無くて、五に立地。

 企業の運命を分ける戦略は、立地替です。全国津々浦々の駅前商店街では人を戻そうと躍起になっているが、それと同時期に駅前商店街の衰退を逆手にとって大きく利用する人たちが出てきている。大手流通企業が郊外に建設するショッピングセンターの中に出店したり、自ら田んぼを埋め立てて駐車場付きの大型店を出した人たちがこれにあたる。飛躍を遂げている。

 立地の優位性は遅かれ早かれ消えて無くなる。

 豊かなポテンシャルに恵まれたという意味でビッグであるか、または競合がいないという意味でユニークであるか、どちらかに該当すれば望ましい立地と言える。

 立地の次に重要なのが、店の構えです。どういう店にするのか

 ポイントは、業界の常識を覆すことです。常識より統合の度合いを上げる、または下げることにより、独自の利点が生まれるならば、それを活かす戦略を組み立ててみる。優良企業は、どうもそんなところから生まれている。

 次に重要な要素は、均衡である。

生産工程がA、B、Cと順次繋がっている時に、ライン全体の生産能力は、全行程のうち、もっとも生産能力が低い工程で決まってしまうということ。

 

 戦略も、実は似たようなもので、最終的な有用性は、やはりボトルネックで決まります。いくら優れた立地を選んでも、いくら秀でた構えを作っても、他にシビヤなボトルネックが存在すればすべては台無しです。戦略のきもは、均整にある。

 トヨタに戦略性がない、またはなかったように見えるのは、均整に優れているからです。目立つということは、どこかにデコボコがあるわけで、それは無駄の裏返しと言ってよいでしょう。サウスウエスト航空の戦略にしても、アメリカ固有の条件が前提になっています。そうゆうローカルなコンテクストの下で、立地と構えと均衡をいかに整えるか。分かりやすく言えば、それが戦略の要締です。

 

第3章 所在

 本当に必要なのは経営層における「人材の選択と集中」なのだと思います。

 選択する際には、選ばなかった他方に退場してもらう。誰を選ぶかよりも、選ぶこと自体がはるかに重要である。なぜなら、無駄を省くことにより迅速な経営判断ができるようになるから。

 事業は経営者で決まる。戦略は経営者の頭の中に宿るもの。予想外に難しい展開にリアルタイムでどう対処するか、それが結果として戦略になる。これが私の暫定的な結論です。従来の能動的戦略観と呼ぶのが妥当かもしれません。経営者は一見したところ何のつながりもない生田の案件に判断を下していきますが、判断自体には何らかの傾向がついてまわります。

 

第4章 人材

 今の日産は、トヨタではなく、市場や顧客を見ていると言ってよい。その結果、日産の立地は明らかに変わり始めたのです。このような長任期は高収入を保証しませんが、短期的の連続は低収入を不可避とします(↔︎TOTOがあるのではないか)。

 実務の世界では、こうして経験に裏打ちされた知識の有無が、圧倒的にモノを言います。だからこそ、年功が重視されるのです。それこそ部長ともなれば、入社して20年程度の経験を積まないとやはり苦しいでしょう。

 日本では、管理をマスターしたら、その次にくるのが経営という発想が根付いている。管理と経営は別もので経営が管理の上に来るということはありません。端的に言えば、実務は知識でするものです。経営は、知識でするものではありません。

大局的な判断に、広い教養は役に立つとしても、実務の知識は必ずしも必要ないでしょう。経営は事業観でする。そして事業観の形成には、観察が必要です。知識でえらばれた経営者を見ていると、むしろ知識が邪魔をする現象をする現象が目につく。

 希少資源を握るものは強い。会社で希少な二台経営資源といえば、人と金。それを握る人事部門と経理部門に東大卒の社員をあてがうのが日本企業の知恵でした。

 

第5章 修練

 自分が納得してその後の人生を歩んでいくためにも、考えて道を選ぶことは大切です。自由業や自営業の最大の魅力は、自分で決めて動かせる点です。大企業に就職するということは、人生の議決権を放棄することをいみする。その代わり手に入れる代償が、人生の安定。

学生時代には、一般教養を体系的に身につけること。具体的には、語学、文学、自然科学、哲学、歴史などを含む。

経済史と経営史。

(まとめ)「訴訟の心絵ー円滑な訴訟進行のためにー」弁護士 中村 直人

「訴訟の心絵ー円滑な訴訟進行のためにー」弁護士 中村 直人

https://www.amazon.co.jp/訴訟の心得-中村直人/dp/4502134511

 

一言:実務上の注意点を述べた本。非常に面白い

 

訴訟の経験が少ない弁護士や、企業の中で訴訟を担当する部門の人たちのために、実務上気をつけたほうがいいことを述べたものである。

と書いてあるが、それに限られないと思う。非常に参考になる。

 

まとめ

 

第1章 訴訟の見立て

1 その訴訟は勝てるのか

  • 訴訟案件の依頼を受けたら、最初に訴訟の見込みを見極める(その後の行動決定に資する)

2 裁判官の心証形成の段取り

(1)原則

動かしがたい事実⇨ストーリーのチェック⇨結論

(2)理由

(3)抽象的思索からプログラマティックへ

(4)処分証書等

  • 特に企業法務の世界では契約書に対する記名押印や領収書などは、組織内のその意思決定手順あるいは作成手順も確立されており、それがあれば原則そこに記載されたとおりの意思表示や法律事実があったのだと判断してよい。
  • しばしば「契約書の文言をよく読まずに記名押印したから無効だ」という抗弁が出されることがあるが、そのような抗弁も原則として認められない(最高裁昭和38.7.30)
  • 処分証書等に基づく認定は、その文章の記載通りとするのが原則。「ここには○○と記載したが、✖︎✖︎の趣旨だった」等の抗弁は原則として成り立たない

(5)例外

(6)書証と人証・主張の重要性

  • 処分証書等は、その日付のその記載内容の契約書が来まい押印されたというだけで、それがそうしてなされたのか、どういう経緯でなされたのかなどは証明していない。
  • 人証は、事案の経過を述べるものであって、これによって全体としてのストーリーの生合成を検証できる。書証を有機的につなげる役割がある。人の行動は、すべて原因と結果、動機と行動からなっている。由縁のない行動はない。係争になる前は、特にそうである(係争になってからは、意図的な行動が生じるから留意が必要)

3 「証明」とはその程度のことか

(1)高度の蓋然性

(2)証明度の度合いー数値的な表現について

  • 多くの論者は、70%から80%が立証のレベル
  • 多くの事件では、裁判官は「証明できず(ノンリケット)」という判断にはなっておらず、全体としてこれで間違いなかろうという心証に至っているのではないかと思われる。確率論的な意味合いで、70%や80%でいいと思っているわけではないように思われる
  • ほとんどの場合裁判官は「ある」か「ない」かの心証を抱くと述べている。裁判官が立証責任でことを解決していることは少ない

(3)自然科学的な立証事項の場合の特殊性

(4)損害認定の場合の特殊性

(5)政策的な証明度の引き下げ

(6)主要な争点とそれ以外の事実での違い

(7)証拠外の事情による影響

4 判決の拘束性

  • 民集(最高度の先例拘束性)>裁判集>法律雑誌(判例時報判例タイムズ
  • 実務家は、高裁判決や地裁判決を見つけると、それで大きな手がかりをつかんだと思ってホッとしてしまうが、裁判官は下級審判決にはほとんどそれに倣うという意識がない。その判事内容が説得的な理由になっていれば、それと同じ意見となることはあるが、説得的でない、あるいはケースが違うと見れば、全く従わない。
  • 下級審判決に過剰な依存をすることには注意が必要

5 大企業の訴訟ルール

  • 裁判官の法律解釈の論拠が、官公庁の解釈などにあまり左右されず、条文の文言や元々の立法趣旨などに大きく依拠していることがわかる。我々実務家的には、所管官庁の解釈は絶対でのとは、全く異なる

6 訴訟の類型

  • (企業間)紛争の争点は、法律の解釈か、あるいは過失、正当事由、欠陥等の規範的要件のあてはめにあることが多い。自分に有利になる間接事実を探し出す争いになる
  • (企業・一般人)動かしがたい事実のプロセスや、間接事実の積み重ねといった従来型訴訟の技術が役に立つ
  • (会社・株主)会社と株主という関係が切れない以上、対立関係が永続ていに続くことがある。デフェンスサイドから見れば、この種の訴訟の場合には、なるべく少ない訴訟で勝つことが重要になる(紛争誘発防止)

7 調査 

(1)関係書類の読み込み

(2)法律・専門知識の調査

  • 法律的に論点となり得るところに関しては、凡そこの世に存在するすべての法律文献、判例を探す。法律文献は、一番新しい文献を探し出すと、そこに飲用されている諸文献を見ることで、芋づる方式に文献を探し出せる。したがって、最新の文献を知っておくことが重要。
  • そのために、日常、重要な基本書、法律雑誌等を見ておく他、「法律時報」に掲載されている文献情報を毎号確認して、誰がいかなる文献を執筆しているかチェックし、重要そうな論文は写しを入手してジャンル別に整理しておくことも重要。
  • キーワード検索では、自分が思いついた視点しか検索できないが、判例集を隅から読み始めると、自分では思いつかない論点で争った事例などが見つかる。愚直に時間をかけ、むやみに広い範囲を調べることがアイデアの湧出源となる。
  • 判例については、日常、判例タイムズ判例時報、金融・商事判例などの判例雑誌を毎号ヘッドラインだけでも読んでおくことで、そのような判決があったことが頭の中に残り、実際の事件が来た時思い出すことができる
  • 大きな書店や図書館に行って、その関係の書棚を全般的に見渡していると、新しい視点を見つけ出すことがある
  • 要するに初期調査は、ピンポイントの論点ではなく、漠然と広範囲に無駄な調査をすることが重要
  • 調査の体制であるが、複数の弁護士で担当する時、統括する弁護士が、論点ごとにここの弁護士に分担して調査させる方法があるが、それは望ましくない(∵全体像の把握ができないので、あたらいいアイデアが出ない。自分で全体を調査しないと戦略を練れない)
  • 何より、若手弁護士が大事件を担当する時、個別論点の調査だけさせられたのでは、全く成長しない。自分で調査をし、戦略のアイデアを出すという発想で物事に取り組んで、初めて戦略的に主導力のある弁護士に育つことができる

(3)関係者の事情聴取

  • 話を伺うときは、誰の責任かという話になるような指摘や意見は絶対に控える。人は、自分を理解してくれる人には、しっかり話をしたいと思うが、自分を理解していない、あるいは自分に対して敵対的・攻撃的な人には、進んで話などしない
  • 事情を聞く目的は、事実関係で必要な事実を知ることであるが、それだけではなく、関係者からの信頼を得ることも必要。「あ、この弁護士はここまで資料を読み込んでるのか」とか「この弁護士は力量があるな」とかそう思っていただけると、機微にわたるお話も伺うことができる
  • 専門的なことに関しては、躊躇なく、素人として質問をする。知ったかぶりをしてはいけない。なぜなら、弁護士はその後、裁判官を説得する立場になるのであるが、裁判官も専門的な知識は持っていない。中学生レベルで話を伺うのが良い

(4)鑑定意見書の頂き方

8 ストーリーの発見

(1)ストーリーを見つけること

  • 法律家は、しばしば法律の定める要件事実を念頭に、それを当てはめる事実を拾い出す、という作業をする、これではダメである。まず、法律論とは別に、すとーr−があるのである。その中で、要件事実にあてはめる事実が拾われてき、そうすると事件が生きたストーリーとなり、裁判官の実感も湧くし、迫真性も湧いてくる。だから、ストーリーを発見することがもっとも重要な柱となる

(2)敵のストーリーも見極めること

9 難しい事件の対応

10 方針の立て方

  • 企業間訴訟の場合、手持ちの証拠で勝てるかどうかは重要である。どこかに文書提出命令をかければ何か証拠が出てきて何とかなるかもしれないとか、相手方が何か証拠を持っているかもしれないとか、そういう自分が持っていない証拠に依存する訴訟は基本的にやめるべき
  • 当方側に不利な事実があったとして、だからと言って嘘をつくという方針はありえない(暴露されると弁護士生命も終わる)
  • 事実と間違ったことを言うと、穴におちる

11 顧客への説明

  • 顧客に見通しを説明するときには、何が要件事実で、いかなる証拠があり、裁判所の判断基準は何で、それを辿っていけば、この点は立証できそうだが、この点の立証は難しいとか、必然的に結論に至るのである。きちんと具体的な理由を説明すること
  • 正直であることが楽しい訴訟への第一歩

 

第2章 主張

1 一般的な注意事項

  • (一本道)準備書面は一本道のフローチャートで書くのが良い。「後述のように」とか、「前述のように」とか、枝分かれしたり、注に飛んだり、あっちに行ったりこっちに行ったりでは読みにくい。
  • (長い書面)今、裁判官からもっとも評判が悪いのが、長すぎる書面である。意味のない文章で長くなっている。裁判官に理解していただくためには、簡潔であることが一番。一見して「なるほど」というのが一番。筆者の30年の経験の中でも、長くて30頁あれば書けると思われる。数百頁の書面を見ても、筆者ならその10分の1で書くと思うものばかりである
  • (一文の長さ)一文の長さも、短い方が理解しやすい。
  • (活字の装飾)過剰な装飾は、目障りである。生の事実を淡々と述べればいいのであって、演出に傾斜しすぎると逆効果である
  • (罵詈雑言)裁判官にとって必要なのは、生の事実、すなわち主要事実t間接事実だけ。裁判官からの評価を下げるだけ
  • (専門的な説明)このような専門的な経験そくに関わる説明の準備書面は、他の主張とは別の独立の準備書面にすべきである。しかも主観的な意見を交えず、客観的かつ中立性に淡々と述べることが重要
  • (形式的なこと)「準備書面○」という表題の後に、「〜について」などと、何が書いてあるか一目でわかる副タイトルを書いておくと、後で裁判官が読み返すときに検索しやすい。目次は長い文章になったときには必要。グラフなどの図を利用することも良い。時系列の票を作成して添付

2 認否を忘れないこと

  • 裁判官からすれば、認否をしてもらうことは何よりもっとも重要

3 求釈明

  • 企業法務の弁護士には、求釈明を多用する弁護士が多いように感じる。交渉戦術として、相手方の主張を想起に明らかにさせ、かつ固定化させて動けなくしてしまうことは上手いやり方と思われるであろう。確かにそういう一面もある
  • 訴訟を提起する側からすれば、相手方に対して求釈明するようではいけない。自己の主張で完結して、それで勝てなければ訴訟など提起すべきでなかろう

4 訴状

  • 勝訴の確信を持っているならば、必要な実主張と証拠を全部出し切って、被告の反論の余地がないように整えてしまうのがいい。事実主張の出し惜しみとか、証拠の出し惜しみ、法律構成の曖昧化(今後の変化の余地も残す)などはしない。迅速に勝つことを目指す。裁判所も、そういう訴状を見れば、その瞬間に大体の心証をつけんでくれるだろう

5 答弁書

  • 認否を書くことが多い。しかし事実関係に大きな争いがあり、そもそも原告が主張するような経緯では全くないというような主張をする場合には、認否より先に、被告側の主張するストーリーや経緯を述べてしまう方が良い(裁判官に本当のストーリーを理解してもらう)
  • 相手が明確な訴状を書いてこない場合、すなわち情報を持っていないケースや法律構成が難しい事件などの場合には、そこがまさに突きどころである。訴状でも明確な主張ができないことが、事件の筋を表している

6 準備書面

  • (難しい事件)迫力のある準備書面を書くには、自分自身がどうしてこちらが正義というのか、心の底から確認する必要がある。そのためには記録を隅から隅まで読むことが第一である。その上で、なぜこちらが正義なのかというストーリーを明確に構築すること
  • 書き始めたら、他の仕事を途中に挟んではいけない。ちょこちょこ時間を見て、細々書きつなぐなどというのは、最もいけない。人を説得する態度ではない
  • (短い反論)長文の相手方準備書面に対する反論は、簡単なもので良い。大体長文の主張というのは、明確な価値の根拠がないから誤魔化していることが多い。裁判官に鮮やかな印象を残すことができるので、短い反論は有効
  • (即座の反論)相手方が準備書面を出したら、即座に、期日前にその反論の準備書面を出してしまうという方法
  • (時系列を述べる準備書面の書き方)主観的な表現を避け、かつ、一文一事実で書く。改行をこまめにし、また、項目をコマ買うに立てるとか、行数を欄外に記載するなどして、相手方が認否するに際して文章の特定をしやすいようにする。また主観的な評価を含む言葉は使用しない。主観的な評価を含む主張をされたら、それは相手方は否認することになってしまう。例えば、「AはBを〜〜と恫喝した」といえば相手方はそれを否認する。しかし、生の事実だけ淡々と「AはBにー〜と言った」と記載すれば、相手方は認める。裁判官にとって重要なのは、生の事実をしっかり認否してもらい、争いのない事実と争いのある事実を明確に区別することである。これは訴訟のマナーである。
  • (期日直後に起案する)準備書面は期日直後に起案する。一番核心をついた書面をかける

7 間接事実の拾い方

  • 感覚的に「これはこうに違いない」と人間は認識するが、それがどうしてそうなったのか具体的に言ってみろ、と言われると、それを言葉に顕出することは難しい。暗黙知の言語化である。これができると説得力のある最終準備書面がかける。また、最初からその間接事実を証明することをターゲットに立証活動ができる。自分が指摘した間接事実がそのまま判決文に採用されると一人前である。

 

第3章 証拠

1 証拠の選抜

 必要な証拠は何かを考える視点

  1. 要件事実からアプローチする
  2. 訴訟になり、事案の経緯を時系列順に主張していく段階では、そこに出てくる事実を証する証拠を拾い出していくということになる(ストーリーの信頼性は重要)
  3. 証拠を出す範囲という視点も必要。
  4. 訴訟の終盤では、それまでに準備書面で主張した事実のうち、裁判官が判決で適時しそうな事実、すなわち間接事実や「本件の経緯」などで判示されそうな事実を全てピックアップし、それぞれに証拠があるかどうかを紐付けていく
  5. いの一番出だす証拠がある。あってあたり前の証拠やいの一番に出るはずの証拠が出てこない、というのは、それだけで裁判官の不信を買うことになる。こういう証拠は適時に出すこと
  6. 相手方が、探索的な訴訟を提起してきた倍には、極力提出する証拠は絞り込む
  7. 株主との紛争、内紛などは、可能な限り提出する証拠は絞り込む

2 各証拠の証明力

3 適時提出主義

4 書庫概説書の記載方法

  • 書式自体の見方がわかりにういものは、書式自体に吹き出しをつけて、説明することが考えられる

 

第4章 期日

1 口頭弁論期日の目的

  • 裁判官の心証を知ること

2 口頭弁論期日と獲得目標

3 弁論準備期日

  • 口頭弁論より弁論準備のほうが準備が必要。しっかり記録を読み込み、何を質問されても回答できるように心の準備をしておくこと、あるいは裁判官がこちらの認識とは異なる心証を披露した時には、そこが違うこと及びその理由を明確に説明できるようにすること、そういう準備が必要で有る。裁判官はここで心証を取る

4 裁判官の指示には素直に従うべきか

5 期日報告書

  • 企業訴訟では、毎回、期日報告書を書くことが当然。もちろん書面の鎮守ちゃ証拠の提出など、基礎的なことは全部書く。裁判官とのやりとりもできる限り逐語的に思い出して書く。「読み」の部分も書くべき

6 その他の留意事項

  • 法廷では、機微な発言が必要になるから、躊躇したり他の弁護士と相談したりしないで、自分の判断で即座に行動する。主任弁護士は、当事者意識が圧倒的に必要で有る

第5章 証人尋問

1 総論

(1)証人の必要性と選択

  • 実際に証人尋問が行われるのは、訴訟提起から1年後であったり、2年後であったり、さらにそれより先になることが有る。その場合、会社の従業員であれば、異動してしまったり、退社してしまう可能性がある。その証人の確保や、場合によっては記憶が鮮明なうちに陳述書を作成しておくなどあらかじめ手を打っておく必要
  • 企業間訴訟の場合、基本的には当方側証人だけで自分たちの立証責任のある事実は立証できるようでなければならない。相手側証人や第三者証人に立証、引いては勝敗が依存するような事案は、通常は、企業は提訴すべきではない。また、相手方証人を申請するようでは、筋悪である。反対尋問では信用性の減殺はあっても、自分たちの要件事実の立証はできない。

(2)証人尋問の申請と尋問事項書の書き方

  • 尋問事項書の記載は重要
  • 主尋問は15分、20分あれば重要

(3)陳述書

  • 時系列に矛盾がないか、それぞれの行動につき原因・結果の関係が整合しているかは絶対確認する。ストーリーで間違ったら、一巻の終わりである。弁護士が起案しても良いとは言っても、本人が使うはずのない言葉、例えば法律用語や準備書面と全く同じ言い回しなどを使用すると幻滅である。本人が知っているはずのない用語が出てくれば、それは弁護士が言わせただけであるし、それに対応する記憶も本人にないことが明らかである。その証人の立場に立って起案

 

2 主尋問

(1)主尋問の目的

  • 裁判官の心証を得ること
  • ポイントは、大きなストーリーの一貫性、整合性である。そこが揺らがなければ、裁判所の心証としては、合格である。原因と結果、動機と行動、その因果の流れが自然であるかどうかである。

(2)尋問事項書の作成

  • 覚えないと回答できないような事項書は絶対に作ってはいけない
  • (リハーサル)覚えようとするのは最悪である。台本を覚えるというスタンスになってしまうと、自分の記憶で回答するという意識が全くなくなってしまい、大失敗する原因になる。そのためには基本的に見せないのが一番である。さらには、尋問事項書の記載通りの回答が得られない場合、証人に向かって「この質問にはこう答えてください」などというのは論外である。自然に回答できないのであれば、それは回答が悪いのではなく、質問の仕方が悪いのである。弁護士が質問を変えるのである。証人は記憶にしたがって自然に回答していれば、そのまま自然い終わるというのが一番良い。
  • 118頁以降参照(証人尋問の諸注意)

(7)反対尋問のとき

  • 裁判官は、大きなストーリーの中で、矛盾がないか、不自然なこと、経験則に反することがないかということを見ている
  • 意義を言うとすれば、誤導尋問で証人が騙されそうな時とか、反対尋問が重複や議論を吹っかける質問ばかりであまりに時間の無駄で退屈した時くらいである

3 相手方証人に対する反対尋問

 

第6章 判決対応

1 判決文の読み方

2 控訴、上告の有無の決定とその基準

3 手続

 

第7章 企業訴訟関連の判決とその特徴

1 南都銀行事件判決

  • 判決文を見て妙と思ったら、訴訟記録まで見に行かないといけない

2 長銀初島と住友信託

3 UFJ事件

4 ブルドック地裁高裁

5 大和銀行事件

6 住友商事決議取消請求事件

 

第8章 和解

 

楽しい訴訟ー結びに変えて

 

 

(感想)「東大ロースクール 実践から学ぶ企業法務」淵邊 善彦

「東大ロースクール 実践から学ぶ企業法務」淵邊 善彦

 

https://www.amazon.co.jp/東大ロースクール-実戦から学ぶ企業法務-淵邊-善彦/dp/4822255263

 

 

1 グローバル企業から見た企業内法務の役割

  • 契約書のレビューはとても重要な仕事ですが、時間をかけすぎるのはあkんが獲物です。達成感はあるかもしれませんが、チェックが終わった時にはすでにビジネス自体が終わっている、あるいは次の段階に進んでいるかもしれません。完璧な仕事をしようと言う気持ちは大切ですが、完璧に仕上げることには時間が必要です。完璧さを追求するあまり、現場への対応が遅れるようでは、企業の成長にはつながりません。一方で、速さが大切だと言っても、本来チェックすべきポイントを「まあ、いいか」とミスgすことは、重大な法令違反につながりかねません。
  • 法務部の役割:①企業の資産と信用を守る、②ビジネスの成長を可能にする。特に、②について、「なんでもNoと答えると会議に呼ばれなくなり、なんでもYesと答えると訴えられる。」(重要)。どうにかしてビジネスを成長させていこうという姿勢が必要であり、また、ビジネスを阻害するような要因があれば積極的に介入して解決する
  • 戦略的なビジネスマネイジメント:リスクがあるからNGを出すのではなく、戦略的にリスクをマネイジメントする必要がある。
  • 具体的には、①何がリスクか、②それは合法か、③リスクが現実になったらどうなるか、うまくリスクを受け入れることができるか、④リスクを受け入れる価値があるか、⑥意思決定
  • 企業内法務スタッフに必要なマインドとセンス
  • ①リスクを受け入れて、革新的な解決策を提供する。  企業内法務が、伝統的に陥りがちな過ちは、「心配事やリスクを一緒にしてしまうこと」です。企業内法務の人間は(社外の弁護士もそうですが)、心配事を指摘し、コメントすることは得意です。しかし、それだけで終わってしまっては意味がありません。医者に「胃の調子が悪いようです」と言われたら、「どうしたら良いの?治療法は?」ということを聞きたくなりますよね。心配事を見つけたのであれば、それが本当に現実になるのか、現実になった場合、どうやってインパクトを受け入れ可能なレベルまで軽減するのか具体的な提案が必要です。できない理由をたくさん並べるのではなく、どうしたらできるようになるか、という提案をしましょう。
  • ②積極的なコミュニケーション、                    ③チームメンバーに対して敬意を払う、                 ④広い視野で考える、                         ⑤外部のネットワークを広げる、                    ⑥常にポジティブに考える、                      ⑦誠実にビジネスを行う(誠実さとは、どう行動すべき迷った時の指針となる。例えば、どの取引先に対しても公平に接することとはビジネスにおいてはとても重要です。信頼関係の基礎になるから)、             ⑧シンプルに、機敏に(時期やタイミングの方が重要なことが多いです。また、100%の完璧さを求めないことも重要です)、           ⑨自分の頭で考える(自分の頭で考えて決断することが大事。誰かが発言するのを待つことや、安全サイドからしか物を言わないことは、企業の守護者ではなく自分を守っているだけ。人は間違えるもの。全ての知識や情報を頭に入れて判断することはできないので、間違いに気づいたらすぐに修正していけば良いのです。今までになかったような問題については、正解を探していると時間だけが過ぎてしまい、時期を逸してしまう。皆さんがこれまで勉強したことや、経験したことを基にして、直感を信じて、自分の頭で考えて判断する勇気を持つこと)
  • 先のことも考えることも大事だが、目の前の仕事を全力でやることも大事
  • 英語を使う機会は確実に増加
  • 弁護士事務所の先生は企業のビジネスを理解してもらう努力が必要だ。イノベーティブなことは、製品・サービス・体制などを理解してもらわないと提案してもらえません。

 

2 プロジェクトにおける企業法務の機能

  • 法務部は、経営的優位性の追求。弁護士事務所は、法的優位性の追求。
  • 弁護士事務所に依頼する専門的な分野としては、MA・危機管理、独禁法・金商法・外国法など
  • さばき方:特定の案件を処理する際に、状況に応じて臨機応変に法的に深掘りするのか、浅くとも早く回答するべきなのかの判断を的確にくださせるのが実務経験者(ベテラン)=重要な修正箇所だけハイライトする等
  • 法務部としては、いかに経営に近い立場でいるかが重要である。取り締まり厄介や経営会議に法務部として参加しているか否かが、会社経営にどれだけ法務部が関与できているかという一つのメルクマールと言えるかもしれません。
  • 法務部を目指す人へ:①旺盛な好奇心が成功の鍵、②自分の得意分野を持つ、③徹底的に自分の頭で考える習慣を作る(自分で考える人間が成長する。最後は自分の頭で徹底的に考える習慣を持つことが何より重要)、④文章力+プレゼン力+交渉力(シンプルで説得力のある文章、法的に難しい概念を読み手に合わせてわかりやすく、ビジュアルなども駆使したプレゼン資料を作れることも大事。)、⑤井の中の蛙にならないこと
  • 取引相手と対等な立場でないケース:契約内容が上から目線だと、結局ビジネスを続けてもうまくいかなくなるものです。契約書を自社に有利に作ったとしても、実態とずれていたり、相手のやる気を削いでしまったりすると、ビジネスとしてうまくいかないこともある。法務担当者として、契約を起案する際に常に肝に銘ずべき点として、「自分の契約書によってはいけない」。本人がクリエイティブにできたというスキームは往々にしてビジネスの観点では使い勝手が悪いことが多い。契約書は「シンプルイズベスト」です。何年にもわたってオペレーションするものですから、将来担当者が変わって、背景を知らない人が読んでもパッと理解でき、ビジネスの羅針盤になる契約書が最高だと思います
  • 文章がやたらと長かったり、複雑な構造に従ったりと問いうのは、自分に良いがちな弁護士にも多いのではないか
  • 私は、時間が許すときは契約書を一晩寝かせて、翌日もう一度チェックするようにすること。クールな頭で「これは本当に必要な条項か」と自問自答して内容をギリギリまで削り、これ以上けずれないところまで整理してから完成する(一晩寝かすというのが本当に大事)

 

3 コーポレートガバナンスから見る内部監査と法務

  • 守りの法務とは、契約書の文言チェック、裁判対応。攻めの法務
  • とは、経営者の立場になって、「競合に勝つために法律をどう解釈するか」、「誰にどのように相談し、解決に導くか」を判断し、企業価値を向上・創造する
  • 他者が躊躇するというようなことをしなければ、競合に勝てません
  • 今でも、安全性を優先し、この契約書のここがまずい、これだと損をするかもしれない、もし向こうがこう倒産したらどうするかなどを考えて、だからやめたほうが良いですと結論付け、経営活動を抑止・規制するだけの法務が多いですが、そんな法務は不要
  • 弁護士も経営センスやビジネス感覚を研ぎ澄ます必要があります。これまでは単に法律に詳しい顧問弁護士でやっていけた面もありますが、これからはその業界のビジネス慣行や特有のリスクについても知っておくことが大事
  • 少なくとも弁護士は、法的な影響ど・発生度を整理した上でアドバイスしなければならないと持っています
  • リスクがあるということで止まるのではなく、リスクの先に何があるのか、またクライシスを最小限にとどめるためのリスクの取り方なども提言する必要がある

 

4 ベンチャー企業経営者から見る法務の役割

 

  • 弁護士に求められる役割:当事者感覚と客観性のバランスを保つこと
  • 世の中にはとりあえず起業しようという切り口の書籍が多いですが、私は危険だと思います。
  • 見た目は重要:ホームページが細かいところまでしっかり記載されていると信頼に足る企業との推定が働く(グーグルマップの地図よりわかり易い自作の地図派)。見た目と中身のギャップは、実力が伴ってからでなければ功を奏しない
  • 弁護士がもっとわかり易い言葉で説明すれば、耳を傾ける経営者は多くなるでしょう
  • 弁護士はそれは法律問題ではないと法律に逃げ込んでしまうことがおく、経営者が欲しい経営アドバイスを伝えることができる人はほどんどいない。ビジネスの現場において、法律だけを切り分けることはできません。弁護士にも、経営のアドバイスをしているという意識は必須で、専門である法律の視点を軸に話していくと良い。特に、ベンチャー企業の経営者は法務という意識は乏しいので、経営の相談をしたいと思っているはずです。どうやって会社の業績を伸ばすかが知りたいし、知的財産の話と経営戦略は重なる話だと思います。そういう点でアドバイスができるかが重要です。大企業の経営者から信頼の厚い弁護士は、経営アドバイスをしています。そうしたことから、社外役員として登用されることもあるのでしょうね
  • 40−50代になって良い仕事ができるというのは、そういう人脈を持つということなのかもしれません、高rこそ、若いうちに多くの人と接し、様々なことをやなないといけない

5 「経済財」としての知的財産の事業活用

  • 信託法:遺産相続や知的財産、金融関係に絡むこと。勉強する価値ある

6 国の未来を見据えた法制度の検討

  • 立法府で新しい法律の制定に関われば、その分野では第一人者になります。弁護士資格を持ち、そのようなリポウ経験ができれば、解説書を書いたり講演したりできます
  • 変革者は、法律を武器として使っている。日本企業でも、黒はダメですが、グレーはどこまでいけるのかを検討し、ここぞという時はチャレンジしていくことことも必要

7 海外展開における法務の重要性

  • アフターDDも重要。
  • 海外企業との取引では法的手段を講じた回収の難易度が高いので、国際取引においては契約締結時にしっかりと相手が楽さんや信用を確認することが大事
  • 日本企業にとって最大の防御は、自社が再建をなるべくもタイアに取引形態にすることです。海外に製品を売却する場合は、持ち逃げされないように、対価をなるべき多く前払いでもらうべき。ぎゃくに製品を購入する場合には、欠陥製品だったことを想定してなるべく後払いにするべき
  • 日本企業の立場が強ければ、金銭を受け取る時はなるべき前払い、支払う時はなるべく後払いや分割にするのは、とても有効な手段